Natural Cafe Jazz Live Report 2004.03

contributed by hyaralin-san


H.M.G

H.M.G
羽根渕道広(ts) 中村新史(key) 織原良次(b) 宇山道隆(ds)
☆ ☆ ☆

鮮度保持
地方のクラブって、誰でも知ってる超人気アーティストばかりを、三顧の礼でもって迎えてるなんて思われがち。 しかし決してそんなことは無い。どの店も、ライブの鮮度を保つために様々な工夫を凝らしているのだ。 もちろん「蔵」とて例外ではなく、中央の売れっ子ジャズメンを中心に据えつつも、時に地元の人気ジャズメンを挟んでみたり、 はたまた外人ミュージシャンを招いてみたりと、ムラの無い幅広いブッキングでいつも新鮮な時間を提供してくれている。 そして、たまにはフォービートからちょっと距離を置くことも・・・。
ジャズ新鮮組
HMGのリーダー羽根渕さんは、小林陽一のアルバム『ジャズ新鮮組』に参加して注目を集めたジャズメンの一人。 このアルバムは、1998年時点のジャズシーンで胎動していた若手プレーヤーの息吹を克明に刻んだ名企画だ。 あれから6年、このアルバムに参加していたビチピチのジャズメンも今や、最前線に踊り出て、シーンを支える存在になりつつある。 太田剣やTOKUなど、この地方でも頻繁に耳にする人気者もこのアルバムで全国に紹介された口。 そして「蔵」出演者の中にも、石崎忍、鳥越啓介など「新鮮組」の隊士は少なくない。
酔えるぞ〜
そんな隊士のお一人、羽根渕さんの目指すサウンドは、純粋なフォービートではない。 でも、学生時代に、スタッフやクルセイダーズといったところに傾倒していた僕らの世代にとっては 涙がチョチョ切れるくらいウレシイ音!いわゆる都会的な大人のサウンドってやつである。 だから、今夜はいつものジャズとはちと様子が違う。お互いをぶつけあうインタープレイの中から、何かとてつもないものが 飛び出すなんてことは確かに少ないかもしれない。しかし、メンバー全員でジックリとリハを重ね、コトコト煮込んで、 カッチリと構成された曲の完成度は非常に高く、安心して酔える、あるいは眠れる(そんな曲もありました(笑))ライブだ。
HMGトークショー
しかしこのバンド、演奏でハプニングが起きない代わりに、MCで面白いことが起こったりする(笑)。 羽根渕サウンドを実現すべく集められた精鋭ミュージシャンたち。中村さん、宇山さん、そして超若手!若干23歳の織原さん。 皆さんMCでマイクを廻し合って自己紹介。飾らないやりとりは、まるで下宿で語らっているようなリラックス感を客席にも 提供してくれる。そんな下世話なトークが、いつの間にかというか、強引にというか、スルリと曲につながってしまうのだ。 若い「ノリ」で非常に好感がもてる。こういう雰囲気を醸し出せるのはやはり羽根渕さんのお人柄かな(?)。


1st set

1.virnity
2.a few years ago
3.i came on the chance of finding you
4.just a two of us (nakamura-san(vo))
5.heart to heart
6.smoke gets in your eyes
7.a starlit night
宇山道隆
宇山道隆(ds) 金華山マニア

織原良次
織原良次(b) 天丼で20kg増量中

2nd set

1.mood
2.i came on the chance of finding you
3.snoopy's siesta
4.just the two of us (nakamura-san(vo))
5.a few years ago
6.time flies
7.caravan (an encore)

CD「R」発売記念
今夜のライブは「CD発売記念」と銘打たれていたが、急遽「CDR発売記念」に変更。 実は2/4に録音したソースは、議論百出の末、正式リリースには至らなかったとのこと。 モア・ベターなもの目指すというこだわりゆえ、今回はそういう形になったようだ。 僕はもちろんCDR(¥1000、安い!)を購入したが、これでも十分楽しめた。 さらなる凄いものが出来てくるなら、またその時に、蔵に遊びに来て欲しい。 (何か、簗で鮎がたらふく食ってみたいらしいです、彼ら)
安心感
演奏はいたってアーバン&コンテンポラリー。まさに、あの頃のフュージョンだ。 皆スーパー・テクニシャンだが、闇雲にテクに走ってどっかへ行ってしまうということは勿論無い。 リーダー羽根淵さんのアレンジのもと、非常に統制された心地よいサウンドに仕上がっている。 それもそのはず、9割がた羽根淵さんのオリジナルで、テナーマンぶりと同時に、コンポーザーぶりも披露。 1−2(2−5)などは、曲作りで煮詰まっていた頃、ひょんな縁で元カノと再会した日の晩、スラスラッと書けて しまった曲だという。ご自分の恋愛体験を赤裸々に語る姿・・・思わず真剣に聞き入ってしまった(笑)。 人の恋路にみなさんも興味深々(笑)。こういうMCによって曲の聴き方も変わってくるというもの。 そのテナーは終始オーソドックスなスタイルで演奏される。がしかし、時にはエフェクターをかけるなどして、音を作る味付けもチラホラ。 羽根淵サウンドは、気さくな語り口と、しっかりした音がワンセットとなり僕らにとってもウォームな安心感を与えてくれるようだ。
やられた〜
個人的に「やられた!」って叫んだのが、1−4(2−4)。 バカみたいに大都会「東京」にあこがれていた受験生時代(典型的な田舎者です)、当時大ヒットしていたこの曲を聴いて江戸への思い を倍増させていった想い出がある。HMGはこのサウンドを忠実に再現(?)。ちょっと照れつつ歌を披露したピアノの中村さんは、 なかなか渋いお声!でも、ビル・ウイザーズというよりは、マイケル・フランクス或いはケニー・ランキンといったところに近かったかな? 当時ベストセラーだった「なんとなくクリスタル(長野県知事著)」から一部拝借して「クリスタルの恋人たち」というヘンな邦題が付いて いるが、まだお聴きになっていない向きは是非御一聴を!作曲者ラルフ・マクドナルドがセルフカバーしているバージョンもお勧めです!
蔵の特色?
お客様も、ミュージシャンも「若かった」今日のライブ。 僕も、かろうじて小指一本だけ「若さ」にぶらさがりながら、末席で一緒に楽しませてもらった(笑)。 残念ながら所用があり、打ち上げには参加できなかったが、きっと盛り上がったに違いない。 今夜はまさに「蔵」ならではのライブだったのではなかろうか。 同業他店ひしめくこの岐阜で、特色を明確に押し出すことは難しい。 期せずして東京の若手の「今」を、地方に紹介する形となった今日のライブ。 今後も、蔵プロデュースの「新鮮組」に期待しよう!

羽根渕道広
羽根渕道広(ts) 雛祭りがバースデー
中村新史
中村新史(key) ヒップポップ・ダンサー

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